広がるマスメディアの世界 3
テレビ放送が普及し、連続ドラマが番組の中心となってくると、映画界の助けが必要となりました。
ハリウッドは初期にはテレビに対してきわめて警戒的態度をとり、むしろこれを敵視し、スターやスタッフなどの人材や古い映画の提供を拒否しました。
誇り高い映画人は、成り上がり者のテレビをばかにしていたのです。
たとえば1954年にABCの番組編成担当者がハリウッドに赴いて、古い映画のテレビ放送権を買いに交渉にいったとき、映画界のボスだったコロンビア社のハリー・コーンは、
「お前たちのような下司野郎にはおれのスターも、どんな人間も貸さねえよ。
お前たちに映画がつくれるかって!」
・・・と悪態をついたのです。
とはいっても、映画は戦後、テレビの影響で斜陽化しはじめていたことも事実です。
コーンのような悪態も、所詮カラ威張りにすぎませんでした。
これに対しワーナー社のジャック・ワーナーは、350万ドルで旧作映画の上映権をABCに与えました。